国家資格キャリアコンサルタント試験ですること
“相談者を尊重する態度や姿勢（身だしなみを含む）で
相談者との関係を築き、問題を捉え、
面談を通じて相談者が自分に気づき成長するような
応答、プロセス“
の中の最後の部分を、今回は考えましょう。
相談者が自分に気づき成長するような応答、プロセス
着目すべきは『自分に気づき』なのです。
『自分に気づく』って、なんでしょう。
自分のことなんてもう知っている筈なのに…
今更なにに気づくというのでしょう。
相談者を『問題ある人』と見てしまうと
つい私たちは
問題を解決してあげたくなります。
その結果、相談者の『自分に気づき』のことも
解決志向で見てしまって
△選択肢に気づく とか
△やりたいことに気づく とか
△方向性を決める とか
△自分の良くない行動に気づく とか
こういうことなんだろうな、と勘違いしています。
相談者が上記△のようなものに気づいてくれると
面談が円満に終わりそうですよね。
だから私たちは、それを望んでしまうのです。
でも実は
これはキャリアコンサルティングではありません。
『自分に気づく』とは
◎自分ってこういう人間だったんだ！
◎自分ってこういう価値観を持ってたんだ！
◎自分って物事をこういう風に見ていたんだ！
◎自分はこれを大切に生きてきたんだ！
◎自分ってこういう特徴を持ってるんだ！
という、相談者の本質的なところ
「何をするか」「どうするか」ではなく
『自分とはどんな存在なのか』に
気づくということなのではないでしょうか。
ではどんな応答・プロセスをすると
相談者は自分に気づくのでしょうか。
内省を深める問いかけ
私たちが参考にできる良い例が
論述試験の問題文です。
その中でも下線部は、良い問いですよね。
キャリ協22回の【下線B】は
相談者の希望・方向性を尋ねているように見えますが
よく見ると、その直前に相談者は
そのくらいしか思い描けなかった、と
確固たる希望ではないという意味合いのことを
打ち明けています。
その時は苦し紛れに、またはなんとなく
それが希望です、と書いちゃったけど…
本心なのか自分でもわからないんですね。
で、キャリアコンサルタントが
そこを返しているのですね。
本当は、どうなのですか
あなたの本心は、何を望んでいるのですか
ちょっとそこを見つめてみませんか
という意図を持って。
すると相談者は「本当にそうなのか？」と
自分で自分に問いかけ始めます。
相談者が自分の内側に潜っていくのに
とても効果的な問いかけです。
JCDA22回の事例Ⅱの下線部も
相談者の志向性・言動の理由を訊いています。
そうしてきた背景、あなたの内側には
どんな価値観、準拠枠、信じるものが
あるのですか
ちょっとそこを見つめてみませんか
という意図がありますね。
そして相談者は深く考え始めました。
自分のことを。
内省すると自分に気づき、成長できる
相談者が自分の内側へ内側へと潜っていって
自分の本心、信じるもの、価値観、準拠枠に
気づいていく。
すると相談者は
それらを大切に生きてきた自分を見つめ
これが自分なんだ
これでもいいんだ
それでいいんだ
と、自分を慈しむ感情が湧いてきます。
これが
自己肯定感とか
自分軸とかに
近いのではないでしょうか。
サビカスを思い出してください。
これを持てれば
次にやってくる課題にも
自分らしさを持って取り組めるのですよね。
そして相談者は自身の問題に
主体的に取り組めるようになり
『自分に気づき成長する』
に到達するのです。
さぁ、あなたなら
どんな問いかけで
相談者の内省を深めますか。
他者のセリフをまんま使うと、嘘くさくなります。
でも論述の問いかけは、参考にできます。
あなたの言葉に落とし込みましょう。
面接試験まであと１か月。
も併せてお読みいただき
ロールプレイ練習に活かしていただきたく思います。
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