焦点のしっかりした問いかけ【練習問題付き】 - キャリアコンサルタントという在り方

なぜ私たちの問いかけは

ぼんやり、遠回しで、遠回りに

なってしまうのでしょうか。

①外れたら恥ずかしいという自信のなさ

こちらの問いかけが

相談者に「そこじゃないのにな」と

思われたりしたら、恥ずかしいから。

どうにでも捉えてもらえるように、と

オープンクエスチョンが度を越して

何を指しているのかわからない問いかけに

なってしまっている。

②自分の言いたいことを正確に伝えたいから

「私が問おうとしているのは

こういうことよ、お願いわかって！

そして良い返事を頂戴！」

相談者にわかってもらいたいあまり

説明過多になる。

③話の構造がわからないまま問いかけている

相談者の話についていくので精一杯、

どこに大事なポイントがあるかわからず

相談者から出てきた言葉に

ただ「〜とは？」を投げかけるだけの

意図のない問いかけをしてしまう。

まず①問いかけに

当たりも外れもありません。

相談者は、ご自分の頭の中が

ごちゃごちゃで、モヤモヤで

何が問題か、どこが解く糸口か

わからない状態だから相談に来ています。

キャリコンから問われたら

それを素直に考えてくださいます。

相談者が考えやすいように

「誰の」「いつの」「何を」を

明確にして問いかけて差し上げてください。

②説明過多になる時は

ベクトルが自分に向いていませんか。

相談者を操作してしまいそう。

自分もごちゃごちゃになっているのなら

相談者もきっとごちゃごちゃです。

ちょっと話を整理して

一緒に話の理解度を確認し合ってから

「じゃ、これについて考えよう」と

焦点を当てていきましょう。

③では意図のある問いかけって、何でしょう。

私たちキャリコンの目的は

相談者が自分で考え、意思決定し

行動変容をし、成長していくのを

サポートし後押しすること。

そのために

相談者が自分のどこを見つめるといいのか

何について考えるといいのか

これを探るのが、私たちの意図です。

問いかけを考えるとき

「ここを見つめてもらうことは

相談者にとって大事なのか？」

という視点で考えましょう。

私たちの問いかけによって

話の方向は変わります。

相談者が考える内容も変わります。

相談者の自己概念が成長するかどうかは

どこに焦点を当てて問いかけるかで

変わってきます。

だからこそ

何を尋ねているのかわかりやすい問いかけ

見つめてもらいたいことが伝わる問いかけを

簡潔に、明瞭に、丁寧に、思いやりを持って

して差し上げてくださいね。

途中で

「あ、ここじゃないな」

「大事なのは別の所かも」と思ったら

修正もできます。

あなたのアンテナに触れる感覚を信じ

恐れず問いかけを展開しましょう。

相談者もきっと腑に落ちます。

では今日の【見立てをたくさん立てる練習】はこちら。

どんな問いかけをするか、も

考えながら

いろんな可能性を見つけましょう。

相談者：24歳女性　最終学歴は高卒　父53歳　母53歳　

　　　　訓練を辞めたい。高校卒業後、リゾートホテル勤務。新型コロナの煽りを受けて、3年半勤めた後に解雇された。ハローワークで求職活動中に、訓練に興味を持ち、専門実践教育訓練給付金の制度を活用して、短大での介護福祉士養成訓練を受講し現在2年目。最初は就職に有利な資格が取れるなら、と意気込んで通い始めたものの、学習が進み、実習を重ねるごとに、介護の仕事は合わないと思えてきた。物言わぬ利用者、暴れる利用者に、うまく対応できない自分が恥ずかしい。ホテル時代の同僚は、コロナ禍から回復してきたタイミングで接客業やビジネスホテルに転職し、楽しそうに見える。

【1】この相談者の内面では、何が起こっているでしょうか。あくまでも想像です。たくさんのパターンを、柔軟に考えてみましょう。

・リゾートホテルを離れる時の内面

・介護福祉士を学ぼうと思った時の内面

・利用者にうまく対応できない自分の内面

・楽しそうな同僚を知った時の内面

・今の自分の姿

【2】この方は、どこが変わると、少し楽になると思いますか。あくまでも想像です。決めつけず、できるだけたくさん考えましょう。

【3】この後もし続くなら、あなたはどんな意図で、どこを見つめてもらいますか。

【1】は相談者の見ている絵を一緒に見る練習です。

何を経験したのか。経験とは出来事＋気持ち＋物事の捉え方です。

【2】は『相談者の問題』

【3】は『今後の方針』『展開』になります。何と言って問いかけるか考えてみましょう。