試験対策に目が向いていると
どうしても
相談者の問題点を探そうとしたり
話の方向性を決めたくなったり
堂々巡りを避けたくて
次々話を進めたくなったりしますが
結論を急がないでください。
どうか相談者さんに
じっくり考える時間を差し上げてください。
相談者が見えていないところ
気づいていないところが
あなたにわかった（ような気がした）としても
見えていないものを見せようとして
気づいていないところを気づかせようとして
水を向けるのは
誘導です。
相談者はすぐに勘付きます。
（あ、○○と言わせようとしてる）
その瞬間、あなたの信頼は失われるでしょう。
見えていないものを見せようとして
気づいていないところを気づかせようとして
指摘したり、提案したりしても
相談者にまだ、それを見る目が
準備されていなければ
ただのお節介になってしまいます。
相談者は、自分が大切にされていないと
感じてしまうのではないでしょうか。
そもそも15分やそこらで
事態が動くことなんて
ないと思いませんか。
いいのです。
試験中に気づきや変化や成長に
到達できなくてもいいのですよ。
相談者のじわじわゆっくり進む成長を
サポートし、後押しし
信じて見守るような
そんなロールプレイができたら、合格です。
試験で問われているのは
相談者に変化を起こせるか、ではなく
信頼関係を構築してちゃんと聴けるか
です。
相談者を焦らせず、じっくり聴きましょう。
【誘導せずたくさんの見立てを立てる練習】
相談者：48歳男性 母73歳と2人暮らし
四年制大学法学部を卒業後、食品製造販売会社に勤務し26年目
営業、マーケティングなどを経て、昨年4月から物流管理部門の課長をしている。物流現場の感覚がやっと何となく掴めてきたところ。会社の一大プロジェクトとして、新しい物流倉庫が完成予定。コスト削減のため、新しく大々的な物流システムの導入が計画されている。その部署への異動を打診された。経験も知識もない自分が、やっていけるか不安。いっそのこと転職した方がいいのでは、と思い始めた。どのように考えたらよいのか。
【1】この相談者には、それぞれ何が起こっており、相談者はどういう状態だと想像しますか。相談者の内側を考えましょう。できるだけたくさんの言葉を使って見立ててください。
・物流管理部門の課長になって1年半、今の思いは…
・新物流倉庫への異動について、どう思っているのだろうか、何を感じているのだろうか…
・転職も辞さないと思うくらい、相談者を突き動かしているものは、何なのだろうか…
【2】この方は、どこが変わると、少し楽になると思いますか。あくまでも推察です。決めつけず、できるだけたくさん考えましょう。
【3】この後もし続くなら、あなたはどんな姿勢で、何を聴きますか。どこを聴いていきたいですか。
【1】で相談者の内側の状態を見立てます。
「こうかもしれない」「ああかもしれない」と
たくさん想像しておくと
本番で相談者が何を語り始めても
「あぁこのパターンか」と慌てずにいられます。
【2】は『相談者の問題』
【3】は『今後の方針』『展開』になります。
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