人に焦点を当てる【練習問題付き】 - キャリアコンサルタントという在り方

このところ、ブログ後半に

【見立ての練習問題】をつけていますが

どんな練習をしていただきたいか、というと

『人』に焦点を当てる練習です。

『環境』ではなく、『人』に焦点を当てます。

問題点を見つけよう、問題を解決しよう

と考えていると

どうしても、勢い、私たちは

『環境』に目が行きがちです。

会社の制度をこう使えばうまくいくんじゃないか…

上司にこう働きかけたらうまくいくんじゃないか…

家族に協力を仰げばうまくいくんじゃないか…

しかし、これら外側へのアプローチを提案したら

相談者は成長するでしょうか。

確かに行動は変わるかもしれない

（あなたの提案を心から受け入れてくれれば）

しかしその行動変容は、成長なのでしょうか。

一方、『人』に焦点を当てるというのは

その人の思い、価値観、準拠枠、考えの傾向、感情

といった人の内側に着目するということです。

会社の制度を使わないのにはどんな思いがあるからなのか…

上司に働きかけるとどう感情が動くのか…

家族に対して何を思っているのか…

ここを掘っていると

問題は解決するのか？セッションは前進するのか？

と不安になると思いますが

ご自身を見つめ

ご自身の大切にしている思いや

ご自身のこだわり、プライド、忸怩たる思い

などを自覚し、それに向き合う勇気が出ると

人は変わります。

答えをご自身で出されます。

答えなんて

ご自身の中にしかないのですからね。

ご自身の中にあるけど

まだご自身にも見えていない、その答えを

一緒に探しにいくのが私たちです。

だから人に、人の内側に焦点を当てましょう。

【人の内側に着目して見立てをたくさん立てる練習】

相談者：53歳男性　妻48歳パート　長男20歳大学生

大学まで野球をしていた。大学卒業後、大手スポーツ用品店に就職。26歳で店長になり、途中本社勤務を1回挟んで、現在７店舗目で店長。今年度から会社の人事制度が変わり、54歳で店長職は終了し、一店員になることになった。本社でも部長級は自分より年下、もう自分が入れる余地はない。しかし店舗勤務をしてきたことに悔いはなく、充実した日々だった。店舗勤務を定年まで続け、退職後に地元の地方都市へ戻るつもりだったが、店長職から外れるのであれば、いっそのこと早めに転身し、地元で転職する方が良いかもしれない。とはいえ自分に何ができるのか。地方都市で働く場はあるのか。具体的なことを考え始めたら、どうしたらいいかわからなくなり、相談に来た。

【1】この相談者には、それぞれ何が起こっていると想像しますか。どんな状況で、何を見、何を思い、どんな感情で、それはどこから湧いてくると想像しますか。できるだけたくさんの言葉を使って見立ててください。

・間もなく店長職終了、一店員になることについては…

・本社には戻れそうにないと語っているところでは…

・店舗勤務の充実感とは…

・予定を繰り上げて地元で転職しようかと考えた背景は…

・具体的に考え始めたら悩み始めたその内側は…

【2】この方のつまずきポイントとなっている、思い込み、イラショナルビリーフ、認知の偏り、自己不一致、性格特性、行動特性、環境要因、等は何だと想像しますか。それぞれの場面ごとに考えてもいいし、全部思いつかなくても、全体的に考えてもいいです。

・一つには、地元での求人状況をまだ知らない、ということ。

・また、転職にあたり、自己の能力の棚卸がまだできておらず、次の職を考えられない、ということもあると思います。

ではその他はいかがでしょう。この方の悩みの根本には何があるでしょうか。

【3】この後もし続くなら、あなたはどんな姿勢で、何を聴きますか。どこを聴いていきたいですか。

【1】は相談者の内側に着目しているので