人と視点が違うことは気にしない【練習問題付き】 - キャリアコンサルタントという在り方

他の人が気づいた点に

自分が気づかない、ってこと

ありますよね。

ロールプレイ練習をしていて

オブザーバーからのフィードバックで

「○○が大事な点だったんじゃないですか」

「どうして○○について聞かなかったんですか」

みたいなことを言われると

「うわぁ…みんなが気づくことに

私まったく気づかなかった…

なんて私はダメなんだろう…」

と思ってしまうかもしれません。

でもね…

全然、気にしなくていいですよ。

他の人と、あなたとで、気づく点が違うのは

あなたの視野が狭いわけでもないし

あなたの能力が低いわけでもありません。

アンテナが違うから。

素地が違うから。

軸が違うから。

育ってきた環境が違うから。

感じる点、思うこと、考える内容

全部、人と違って当たり前です。

あの人は、○○に気づいて

あの人なりの何かを感じた。

あなたは、別の点にアンテナが触れて

あなたなりにこう感じた。

それでいいのです。

キャリコンは、あなたという人間と

相談者という人間の、人間同士の相互作用。

相談者も、あなたと話すことによって

思い浮かぶこと、言いたくなることがあり

他の人と話すことによって

思い浮かぶこと、言いたくなること

違います。

絶対にこれを聞かないと不正解

なんてのも、ありません。

あなたなりに、アンテナに触れたことを

純粋にお聴きしていきましょう。

その『聴く態度』が、相談者の成長を助けます。

試験で問われているのは、ここなんです。

では今回も【見立てを増やす練習問題】やってみましょう。

相談者：59歳男性　製造業勤務　若い頃は現場、役職がついてからは総務　定年まであと1年

このまま今の会社で仕事を続けるか、新しい仕事を探すかで迷っている。希望すれば定年後も再雇用されるが、役職は外れ、給与は3割減。仕事は環境整備や補助的な業務、雑務等に変わる。定年で辞めていく人の方が割合は多い。自分は隠居するにはまだ早いと思っているので、まだまだ働きたい。しかしこの会社に残ることは果たして良いのか。かといって新しい仕事も何をしたらいいか思いつかない。こんな状況に陥っている自分に虚しさを感じる。

ではここから、見立て練習です。

【1】この相談者には、それぞれ何が起こっていると想像しますか。どんな状況で、何を見、何を思い、どんな感情で、それはどこから湧いてくると想像しますか。できるだけたくさんの言葉を使って見立ててください。

・定年まであと1年と迫っている段階で悩んでいるところでは…

・役職が外れ、給与が減る点については…

・再雇用時に変わる仕事内容については…

・辞める人の方が多い現状については…

・残ることが良いのかと悩んでいるところでは…

・新しい仕事が思いつかないところでは…

・自分に感じている虚しさとは…

【2】この方のつまずきポイントとなっている、思い込み、イラショナルビリーフ、認知の偏り、自己不一致、性格特性、行動特性、環境要因、等は何だと想像しますか。それぞれの場面ごとに考えてもいいし、全部思いつかなくても、全体的に考えてもいいです。

【3】この後もし続くなら、あなたはどんな姿勢で、何を聴きますか。どこを聴いていきたいですか。

いかがでしょう。