キャリアコンサルタントという在り方

キャリアRe-Birth® 国家資格キャリアコンサルタント応援ブログ

もしもキャリアコンサルティングの相談者が病気だったら

今日は書くことを何も考えていなかったので

最近ぼんやりと感じていたことを

言葉にしてみようと思います。

 

キャリアコンサルティングの場で

もしも相談者が

「私、うつ病なんです」とおっしゃったら

皆さんだったら、どうなさいますか。

 

まずは病気を治してから

仕事の問題に取り掛かった方がいいのでは?

と思いますか。

 

キャリコンの専門性から外れるから

早く医療機関にリファーしよう

と思いますか。

 

もしも職場の人が

心療内科に行ったら、うつって言われた」

と打ち明けてくれたら

どうなさいますか。

 

何か言って悪化させたらいけないから

もう仕事の指示や依頼は出せない

と思いますか。

 

どうも

精神疾患の病名がついた途端

 

自分たちとは違う人

触れてはいけない人

というレッテルをつけてしまっている

ように感じるのです。

 

昨日まで普通の人だった人が

病気になった途端

別世界の、別の生物に

 

なるわけがないじゃないですか。

 

昨日:どうも血圧が高いみたいだ

今日:病院に行ったら血圧の薬をもらった

昨日と今日で、人は変わっていませんね。

私たちの、その人を見る目も、変わりませんね。

 

なぜ心の病気だけ

急に『腫れ物』になってしまうのか。

 

どうなる病気なのかわからない

という、知識のなさによる不安

これはあるでしょうね。

こんなこと言ったら傷つけるんじゃないか。

だったら何も言わない方がいい。

本人も聞いてもらいたくないんじゃないか。

・・・

と勝手な妄想を広げてしまう。

 

自分が加害者になりたくない

という、防衛も働くでしょうね。

だからリファーが最善の策と思う。

自分で手を下したくない。

 

ですが皆さん

うつ病は、本当に身近な病気です。

例えばあなたが

職場でしんどいことがあり

2週間くらい気分が落ち込んで

仕事に行きたくなくて休んで

そのタイミングで心療内科に行けば

あなたも「うつ病」と言われます。

 

医師は「今の心の状態から脱するには

しばらく職場から離れること」と言い

『○か月の療養が必要』という

診断書を書いてくださいます。

 

それを職場に出せば

あなたは心の病で休んだ人となり

 

このタイミングでハロワに行けば

障がい者専用窓口に通されます。

 

さて、ここ2〜3週間であなたは

別の人種に変わってしまったのでしょうか。

 

ただ一つ、病気を得ただけ。

年齢とともに血圧が上がるように

中性脂肪の値が上がるように

体の状態が、少し変わっただけ。

 

キャリアコンサルタントとして

うつ病の方にできることは

山ほどありますよ。

 

お話をじっくりお聴きすること。

受容し、共感すること。

好意的関心を持ち続けること。

わからないことはわからないと伝えること。

相手の話したい範囲だけお聴きすること。

必要な情報があれば提示して

一緒になって考えること。

 

いつもやっていることと同じです。

 

相談者は、あなたと話がしたくて

いらっしゃるのですから

すぐリファーばっかり考えないで

まずは人として

話を聴いて差し上げてください。

大丈夫、相手は人です。

 

そういう経験が相談者の

心の傷を少しずつ癒していくものです。

医療のことはわからないから

主治医に聞くよう促しましょう。

病気以外の相談者のことは

あなたにも聴けます。

 

うつ病は、怖いものではありません。