私たち人間は
言葉を創り上げることによって
概念を論理としてつかみ直したり、
新たな意味に気づいたり、
自分の中にあったものに
改めて目をやったり、
別の何かとシナプスが連結して
新たな関連を生み出したり、
アイディアを思いついたり
することができます。
相談者があなたに
教えを乞うてきたとしましょう。
「ついゲームをしてしまって。
試験勉強に向かえないんです。
どうしたらいいんでしょう?」
質問をされると人間は
解答を出そうとしてしまう生き物。
つい、何か良い案を
教えてあげたくなってしまいますが
教示して差し上げると
相談者さんは成長できません。
そこで私たちキャリアコンサルタントは
【相談者が考える過程に寄り添う】
という支援をします。
「何か頭を切り替えたり、
新たな行動に移したりする方法、
何かあるといいんですけどねぇ。
今までに何か教わったこととか
やってみたこととか、
ありませんか?」
と
逆に返してみるのも一つの手です。
この時、相談者の言葉を
そのままおうむ返しするのでなく
少し言い換えて差し上げると
相談者は考えを広げやすくなりますね。
(ただし、意味が変わらない程度の
良質な言い換えでなければいけませんよ)
すると相談者は考えて
「あぁ昔、○○の本で
こんなことするって
読んだことあるなぁ」とか
「あぁ、先輩はこんなことするって
言ってたなぁ」とか
思い出したり考えたり
してくれるかもしれません。
そこで私たちは興味を持ちます。
「え、なになに、それどんなのですか?」
と、こちらが教えを乞います。
すると相談者は
私たちにわかるように
考えながら、説明してくださいます。
ここです。
この時、相談者がしているのが【言語化】。
相談者の中に既にある解決策を
言語で表現してもらうのです。
相談者は自分の言葉で語りながら
「あ、これなら自分にもできるかも」
と思ったりして
そうすれば次は行動化に移ります。
脳の中に蓄積されているものを
一度言語に変換し
人に向かって表現することは
気づきを得る上で必須の方法でしょう。
過去に得た知識を思い出す時だけに限りません。
自分の内側でうごめく何かを
近い言語に置き換えて表現する時
それは確かなものとなり
行動化できるレベルまで分析され
自分の【モノになる】のです。
だから私たちも
言語化をさぼってはいけませんよ。
相談者と言葉でやり取りする以上
私たちも自分の内側にあるものを
言語に置き換えて表現し
相談者と内側が通じ合うくらい
信頼し合えるようになりましょう。
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