実技の評価区分② - キャリアコンサルタントという在り方

前回は
JCDAの実技試験の内容について
想像してみました。

今回は、こちらの実技評価区分↓

●特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会

・「態度」
・「展開」
・「自己評価」

について考えてみましょう。

参考にするのは
熟練レベルではありますが
キャリアコンサルティング技能検定2級。

2級の評価区分は、こうでした。

・「基本的態度」
・「関係構築力」
・「問題把握力」
・「具体的展開力」

国キャリの「態度」→2級の「基本的態度」
と、ほぼ同じと考えてよいでしょうね。
クライエントが安心して相談できるような
態度で接することができたか。

ではどんな「態度」だと
クライエントは安心して心の内を話せるでしょう。

やはりJCDAが言うところの
「傾聴」つまり
姿勢、視線、顔の表情、
いいかえ、反映、質問、
共感、受容的態度、好意的関心
これだと思います。
これらを適切にできれば
クライエントが安心できる「態度」が示せた
と言えると思います。

では「展開」は何でしょう？

JCDAでは「具体的展開」と言っていますが
同じでしょう。

JCDAの方で予測すると
クライエントの問題の背景にある
感情、考え、価値観等を
クライエント自身が把握出来るように促したか
ではないかと思われます。

ちなみに2級では

クライエントが問題を自分のこととして
自覚できるよう促し
クライエントが自らの問題に直面できるよう
気持ちを支え
クライエントが自ら行動変容を起こせるような
変化をもたらす

このあたりが求められます。
（参考文献：『改訂版キャリア・コンサルティング技能検定2級テキスト＆問題集』キャリア・コンサルティング実践研究会編　株式会社テクノファ著　日本能率協会マネジメントセンター　2013）

国キャリでは熟練レベルまでは求められないので
JCDAとの整合性を考えれば

「展開」＝
クライエントが問題を自分のこととして
自覚できるよう促し
クライエントが自らの問題に直面できるよう
気持ちを支える
ことができたか

くらいだと思われますね。

さて、問題はこれですよ↓
「自己評価」

2級には存在しません。
しかし
存在はしないけど、実は大事なポイントでした。

口頭試問で
今回の面接の方向性・見立て・
今後の展開について
しっかりと語り
キャリコンとしてどんな信念を持って
どのようにクライエント・組織・社会に
貢献していくか
これを語ることによって
面接の補足（多少の挽回）ができるのでした。
（参考文献：同上）

しかしJCDAの評価項目から
わざわざ消されたのに
なぜキャリ協でこれが出てきたのか？

そう考えると
やはりJCDAで受けるにしても
自分の面接がどうだったか
出来たことと出来なかったことを客観的に把握し
今後の展開を見立て
社会貢献に活かすという信念を伝えることは

評価項目から消されても
きっと評価はされる
と思っていた方が無難でしょう。

逆に、ですよ。
JCDAの評価項目にあって
キャリ協の評価項目にない
「主訴・問題の把握」
これだって、ですよ。

キャリ協の方で
評価されないわけはないんです。
クライエントの訴えと
背景にある問題をわかることなんて
基本中の基本ですから。

キャリ協で言う「展開」の中で
“問題を把握した上で”展開する
というニュアンスは当然あるだろうし

「自己評価」の中で
“クライエントの主訴と本当の問題は
これだ、と私は考えた”という評価は
必要でしょうし。

と、考えると
見えてきますね。

◆特定非営利活動法人日本キャリア開発協会
で受けようが

●特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会
で受けようが

求められるスキルは以下のものでしょう。

・クライエントの主訴を適切に把握する
・クライエントの背景にある問題を適切に把握する
・適切な姿勢、視線、表情でクライエントに接する
・適切ないいかえ、反映、質問を投げかける
・共感、受容的態度、好意的関心を示す
・クライエントの問題の背景にある
　感情、考え、価値観等を
　クライエント自身が把握できるよう促す
・クライエントが問題を自分のこととして
　自覚できるよう促す
・クライエントが自らの問題に直面できるよう
　気持ちを支える
・自分の面接で出来たこと・出来なかったことを
　客観的に把握する
・面接の今後の展開を見立てる
・自分の専門性を社会貢献に活かすという
　信念を持つ

あぁ……多くなっちゃった(;´Д｀)

でも、全てカンペキにできる必要はありません。
皆さんが目指すのは、そう、6割でしたね！
これらの全項目が6割程度できることを
目指しましょう！

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